奇跡の自然、弥山原始林

神々のすむ世界遺産の森

古くから信仰の対象として、そして手つかずの自然が残る弥山では、厳島神社の後背地にある常緑広葉樹(照葉樹)のエリアが平成8年(1996年)に「弥山原始林」として世界遺産に指定されました。その植物の多様性は日本の縮図とも言われるほどで、標高に応じてさまざまな木々を観察することができます。冬でも葉が生い茂り、実りをもたらす照葉樹の森。その森に暮らし日々の糧を得る、シカなどの野生動物。一万年以上前から変わらぬ営みが、奇跡の景観をつくり上げています。

弥山原始林写真

豊かな森をつくる植物たち

信仰の対象として古くから大切に保護されてきた弥山原始林には、日本の縮図とも言うべき多様な植物が生育しています。大正2年(1913年)、ベルリン大学教授だった世界的な植物学者のエングラー博士が宮島を訪ねたところ、弥山をたいへん気に入り「私は一生ここに住んで、ここで死にたい」とまで言ったと伝えられています。

弥山原始林の代表的な植物

  • ヤブツバキ(写真提供:広大植物園)
    ヤブツバキ
    照葉樹林を代表する樹木の一つで、弥山にも多数生育しています。
  • マツブサ(写真提供:広大植物園)
    マツブサ
    原始的植物に分類されますが、秋に甘酸っぱい液化果が熟します。弥山のマツブサは葉の裏が粉をふいたように白く、ウラジロマツブサと呼ばれています。
  • ツガ
    ツガ
    山頂付近にツガ-アセビ群落が発達しており、弥山原始林の価値を高めるものとして非常に貴重な存在です。弥山本道沿いでは、登山道入口付近から山頂までツガが生育しています。

他にもヤマグルマ、モミ、ミミズバイなど多様な植物が見られます。

※写真提供:広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所よりご提供いただきました。

世界遺産へのあしどり

弥山原始林は、昭和4年(1929年)に天然記念物に指定され、昭和32年(1957年)には特別保護地区となり、そして平成8年(1996年)には世界遺産として登録されました。人々の居住地に近いところに原始林があることではもちろん、植物自体が植物学の調査研究に欠かせないものと珍重され、昭和39年(1964年)には宮島西部の室浜に広島大学理学部付属自然植物園が設けられ、毎日観察と研究が続けられています。

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