野鳥・花だより
野鳥
一豊かな自然が育む野鳥
宮島は野鳥の宝庫です。周囲30kmの小さな島で、水辺、市街地、山地の鳥のほとんどが見られることは、全国的にも珍しいと言われています。理由は、人手の加わっていない原始林があり、野鳥の住み良い環境が整っているから。木の種子、昆虫などの餌、寝ぐらなど、それはすべて豊かな自然が提供しているのです。
弥山・宮島で見られる主な野鳥
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留鳥
エナガ
ヤマガラ
ヤマガラ・シジュウカラ・エナガなどが代表的。キツツキの仲間のコガラ・アカゲラ・アオゲラも見られます。
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夏鳥
オオルリ
キビタキ
4月頃からオオルリ・キビタキなどが渡来。10月末の旅立ちまで、繁殖を終えた鳥たちは低地で過ごします。
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旅鳥
エゾビタキ
ノビタキ
10月上旬、本州以北で過ごしたハチクマ・チゴハヤブサなどが弥山の上空を通過して暖地へと渡ります。また、月末にはエゾビタキ・ノビタキ・コマドリなどが宮島を休息所とし、通過していきます。
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冬鳥
ジョウビタキ
ルリビタキ
10月末には、ツグミ・ジョウビタキ・ルリビタキ・キクイタダキなど、数多くの冬鳥が飛来します。
※写真提供:広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所よりご提供いただきました。
※写真撮影:熊谷美登氏
花だより
春
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アセビ
宮島町の花で、馬酔木と書いてアセビと読ませます。反芻動物であるシカにとって有害な毒素を含むため、シカの食害に合わず、宮島全土で多く見られます。
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ヤマザクラ
おもに日本列島南部の低山地に広く分布し、寿命が長く、かなりの大木に成長。華やかなソメイヨシノなどと一味違う、奥ゆかしい風情を感じることができます。
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ヤマツツジ
4月下旬から7月中旬にかけて開花。登山道など明るい林縁で見られ、その透明感のある赤い色は、新緑の中でひときわ目立つ美しいアクセントになっています。
夏
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コバノヘクソカズラ
昭和3年、弥山へ調査に訪れた東大博士が発見したヘクソカズラの小型種。宮島の植物は他の地域に比べ小型のものが多く、研究者の関心を呼んでいます。
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タカサゴユリ
高砂(たかさご)とは原産地である台湾の地名で、別名タイワンユリ。花の形だけを見るとテッポウユリと似ていますが、葉が細いところが違います。
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カンザブロウノキ
花は白色で、果実は黒色。日本列島南部に広く分布していますが、瀬戸内海周辺での生育はごくまれ。弥山では、海抜300m以下の谷間に多く見られます。
※写真提供:広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所よりご提供いただきました。
※写真撮影:熊谷美登氏